2025-06-29
But I tell you that anyone who is angry with a brother or sister will be subject to judgment. Again, anyone who says to a brother or sister, ‘Raca,’ is answerable to the court. And anyone who says, ‘You fool!’ will be in danger of the fire of hell.
しかし、わたしはあなたがたに言う。兄弟に対して怒る者は、だれでも霊的な裁きを受けねばならない。兄弟にむかって愚か者と言う者は、霊的な裁きの場に引きわたされるであろう。また、ばか者と言う者は、地獄の火に投げ込まれるであろう。(マタイによる福音書 5:27)
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これは、イエス・キリストが山に登って多くの人々に説教したときの言葉です。山上の垂訓と呼ばれる、イエスの説教です。
隣人愛を勧めるイエスは、人に最も近い隣人である兄弟・姉妹が互いに尊重し合うようにと、教えている。それを表した言葉がこの教えです。兄弟を何らかの理由で軽蔑する人間は、神様の怒りを買うということです。
人間の最も近い相手・隣人は両親ですが、その次に近いのが祖父や祖母と兄弟・姉妹です。血は水よりも濃いと、日本でも言われている。生物学的には、遺伝子やDNAは兄弟・姉妹の間で共通している。そのような親族を軽蔑することは、自分を軽蔑することにつながる。これは、その一族を生んだ神様の気持ちを軽んじることになる。だから、兄弟・姉妹を軽蔑することは、神様を軽蔑することになる。普通の親は、兄弟・姉妹が仲良くすることを望んでいる。それが、世の中の平和の第一歩なのです。
しかし、現在の日本の高齢化社会では、年老いた親の介護や遺産相続をめぐって、兄弟・姉妹の間で争いが絶えない。最悪の場合には、介護殺人や相続殺人が発生する。これは、物質文明が崩壊する兆しです。物質的な幸福に洗脳された人間は、霊的な人間のつながりなどは考えない。人を経済的観点からしか見なくなる。人情も、隣人愛も理解できない人間ばかりの社会になれば、危険な殺伐とした社会になる。
親が長男・長女の面倒を見て、長男・長女が次男・次女の面倒を見て。次男・次女が三男・三女の面倒を見るのが、自然な家族関係です。しかし、物質文明の発展によって、個人主義が増長し、家族の絆が分断されるようになった。また、一人っ子の家庭が増え、兄弟・姉妹もいない人間が増えて、人間関係の理解も浅くなっている。一族同士の結びつきも希薄になり、個人と社会の関係が重要になり、制度や社会的ルールが重要になっている。これは、個人と神様の関係が人間存在の基本となる欧米文化の影響でもある。しかし、中国では今も家族の絆が基本であり、日本でも親族の重要性が社会で認められている。その家族・親族の構成の基本は、兄弟・姉妹の結びつきだということになる。
現在のキリスト教でも、修道士や修道女は、ブラザー(兄弟)やシスター(姉妹)と呼び合い、疑似的な血族関係を構成している。また、神様のことは天の父と呼んで、神様と親族的な関係を持とうとしている。従って、この世の血のつながった親、兄弟、親族の関係は、霊的な関係にまで拡大される。これが、人間社会の基本です。だから、全人類は親である神様の子供として、兄弟・姉妹同士であるという教義につながる。これが、世界平和の基礎なのです。
つまり、自分の親を尊敬しない者は、神様も尊敬しない。自分の兄弟・姉妹も敬愛しない者は、社会も尊重しない。つまり、この世を滅ぼしたいという悪魔の手先になる。だから、決して兄弟・姉妹を罵ってはならない。兄弟・姉妹の欠点は自分の欠点でもある。互にかばい合わなければならない。悪魔は、そのような愛のある家庭には入り込めない。
自分と同じ遺伝子、DNA をもつ人間である兄弟・姉妹を敬愛することが、血族・親族・一族を敬愛することになり、それが社会全体の安定につながり、また、人類と言う生物種の繁栄・存続につながる。
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